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2012年3月27日火曜日

岳 みんなの山


手塚治虫文化賞を受賞した『岳 みんなの山』はとんでもないマンガだ。これは、山岳救助ボランティアの三歩という男がいろんな人を救助する、という話で、異様なリアルさがある。

作者はアメリカで長い間山を登った経験のある人で、その体験が盛り込まれている。というか、そうとしか思えないほど描写に緊迫感がある。遭難の体験なんかも、とにかくリアルで、それがどんなに悲惨でみじめか、ということがひしひしと伝わってくる。これを読んで、山に行きたくなる人はいないんじゃないだろうか。

ここに書かれているのは、単なるお話ではなく、体験談なのである。

このマンガが存在していること、それは一つの奇跡だ。実際に山でいろんな経験をした人が、それを元にマンガを書いてくれ、その体験を共有しくれる。それがどんなに貴重で、レアなことか。

2011年10月11日火曜日

原秀則『電車男』

電車男についてはもちろん知っていたけれど、こうして作品なんかを読むのははじめて。もちろん、ログも見たことがなかった。これがなかなかいい。恋をしたことさえなさそうな若い男の子が、女性とひょんなことから知り合って、見ず知らずのネットの人たちにアドバイスされ、後押しされ、一歩一歩階段を登っていく、という話。

この漫画でとくによかったのは、「電車男」の初々しさが細かく描かれていたこと。読んでいるこっちが恥ずかしくなるほど、「電車男」はすべてのステップで気後れし、あるいは相手の意図に気づかなかったりする。食事に誘うのにものすごい躊躇したりするのが、初初しいったらない。自分にもこういう時期があったなあ、と多くの人が共感すると思う。

この漫画でもう一ついいところは、これが珍しく男視点の一人語りになっているところ。好きな人ができて悶々とする話は女の子が主人公のはたくさんあるけれど、男が主人公ってのはじつはあんまりない。しかも、にぶくて天然でにくめないキャラがうまく造形されていてとてもよい感じだ。読みながら、掲示板の人たちのように、熱くなりながら主人公を応援してしまわずにいられない。