2012年3月27日火曜日

岳 みんなの山


手塚治虫文化賞を受賞した『岳 みんなの山』はとんでもないマンガだ。これは、山岳救助ボランティアの三歩という男がいろんな人を救助する、という話で、異様なリアルさがある。

作者はアメリカで長い間山を登った経験のある人で、その体験が盛り込まれている。というか、そうとしか思えないほど描写に緊迫感がある。遭難の体験なんかも、とにかくリアルで、それがどんなに悲惨でみじめか、ということがひしひしと伝わってくる。これを読んで、山に行きたくなる人はいないんじゃないだろうか。

ここに書かれているのは、単なるお話ではなく、体験談なのである。

このマンガが存在していること、それは一つの奇跡だ。実際に山でいろんな経験をした人が、それを元にマンガを書いてくれ、その体験を共有しくれる。それがどんなに貴重で、レアなことか。

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